まだ大学生だった頃、サークルの皆と居酒屋を、はしごしていた。お酒が弱いのにも関わらず加減を考えずに飲んでいた私は、ジャケットに鍵を入れていた事などすっかり忘れていた。これが悲劇の始まりであったことをまだ私は知らなかったのです。
飲み会も終盤に差し掛かって、さぁ帰ろうと思いジャケットを探したが見当たらない。と思ったら地面に乱雑にジャケットが置かれていたのです。ハンガーに掛けるのも忘れて飲んでしまっていたのです。
とりあえず帰りの準備をし、家路に着く事にはなんとか成功し、後は家に入るだけと思いポケットの鍵を探したが見つからない。そんなはずはないとしきりに探したが、まぁ見つかる訳もなく玄関の前で途方に暮れてしまった。
その時時刻は午前2時、誰も起きていない中必死にドアを叩く。近所迷惑で警察を呼ばれてもおかしくはなかったが、そこは背に腹はかえられない。家に入れなければ下手したら風邪を引いてしまうと思ったからだ。1時間ほどドアを叩いていると、親がトイレをしに起きてくれ、なんとか家に入ることが出来た。もうこれを機会に鍵はちゃんとチャックのある所にしまおうと決意したのでした。